今日、開放的な空間であれば、全てが豊かな空間である かの様な傾向がある。限りない開放性を求める場合もあれ ば、一人で静寂を楽しみたい時もある。この「抑揚」が大事 なのだ。そこで、寝室=家族の個部屋を広さ・天井高を均質 で、ある程度囲まれた空間(開放することも可能にする。) にして、家族の寛ぎと団欒の場のLDK(住む人の心構えに もよる)を最大5mの天井高を持ち、ガラス張りの壁のない、 開放空間とした。 この空間の抑揚により、お互いの場の必要性・性質・用途を 強調する。 |
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- 外 観 - | |
RC造の地下・1階とS造の2階、構造体そのものがこの家のデザインとなる。 清潔感のある白色と、メタルの関係が、都会的、現代的なイメージを導く。 法規上、敷地の北と南で建物の最高高の差が出るので、勾配屋根が適当である。 しかし、安易 に計画すると、都市に蔓延する、 法規上やむを得ず計画した歪な形状の建築と同じことになっ てしまう。 そこで、プランニングから現れる自然な形状として、デザインした。 結果、LD Kの巨大なガラスの空間が、都市に個性を発信する。 |
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○ 外 壁 | |
イソバンドを使用することで、外装の意匠を決定付けると共に断熱性を向上させる。 |
- 地 階 - | |
地層の1.5~2.0mに自沈層が見られ、不同沈下などが気になる点である。 そこで、地下を浅く
するプランでなく、あえてコストよりも優先して、深さを十分にとった。その代わり、階段状の上り
庭のような空掘りを設けた。(避難上も有効である。)その空掘りは、敷地の出っ張った場所を有効
に利用した。
外壁に沿って湧水パネルを使い防水・防湿に配慮した。(湧水パネル工法) |
① 主寝室 | |
地下室でありながら空掘りへ向いた大開口が明るい部屋を創る。同時にプランを空掘りから一直線に
することで、部屋に明暗が出来る。この「抑揚」を用途により、上手に使ってほしい。 |
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② 納 戸 | |
エクストラな空間を最大限に利用したもので、地下に配したことで、間接的に他の空間を豊かにする
ことに寄与している。
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- 1 階 - | |
① 玄 関 | |
限られた空間の中でも、あえて、十分に広い玄関+玄関収納を設けた。
それは、人が「住まう」際に、重要な場であると同時に軽視されやすい、
場である。このような空間が緊張感を無くし、生活に余裕を与える。
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① 階 段 | |
建築家にとって階段とは非常にアーティスティックな場である。生活の中でも、繋ぐだけの空間にはしたくない。 そこで、壁面に大開口を設け、階段を強化ガラスとすることで、室内に光を導く「光の柱」とした。 |
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○ 寝 室 | |
日本における寝室とは、書斎室、ホビールームなどの用途も内包している。これらは、個人の空間で
あることには違いない。その空間は、広いにこしたことは無いが、用途に応じた「最小空間」使いやす
さを生む場合もある。よって、寝室は、「抑揚」の中でも抑えた場とした。
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③ 子供部屋⇔寝室(1・2・3) | |
現在は個室が必要でない場合もあると仮定し、全ての部屋を一室とした。加えて、 ホール側を全て開放可能して、大きな空間を創った。この空間は、子供にとって、 非常にフレキシビリティーの高い空間であろう。更に、可動クローゼット(建築後に 作成したほうがよい。)の配置を変化させることで、子供の成長に合わせ、明確に 間仕切ることも出来る。 |
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○ 水廻り | |
建物の片側へ集中させることで、配管計画を簡易にして、コストダウンを図る。
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④ トイレ | |
2つ設置する希望であったが、今回面積のことを考え一つとした。ただし、
単純に減らしたわけではない。下述の方法によって、2つ目が必要なくなる
からである。 ・生活動線の中心に置くことと、来客者が室内の奥に入ることなく利用でき る位置にすることで、全ての人が利用し易くする。 ・タンクレスのものを使うことで、面積を小さくする。 ・音と気分の上で好ましくないので、キッチンや寝室の上に設置することを避ける。 |
- 2 階 - | |
① トップライト | |
プライバシーを保ちながら、寝室の採光を確保する。
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② キッチン | |
ダイニングテーブルと対面で作業が出来るので、閉鎖的にならず、 家族を繋ぎ止める。少し横を見れば、フロストガラスの階段スペースを 通して、地下・1階の家族の気配を感じることが出来る。学校から 帰った子供たちが2階の母へ声を掛けるのが、日常の姿になりそうだ。 キッチンテーブルの端にフロストガラスの半透明な仕切りがある。 外側は、来客者の視線を遮る効果があり、内側は、壁の全く無いLDKに どうしても必要な最小限の壁面を提供する。それは、電気のスイッチ類 ・子供たちの絵・ホワイトボードなどのスペースである。 これも住宅における「抑揚」である。 |
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③ リビング | |
階段を上りきるとガラスに囲まれ、開放的で巨大な単一空間が現れる。生活の中で一番動的な空間である。 外へ開かれた空間は、そのまま、テラスに繋がり、一体となっている。ちなみに、プライバシーが必要なときは、 シェードを降ろす。 |
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④ ロフト | |
約7.7㎡の広さがあり、子供たちの遊び場・収納・両親の思索の間など、住宅に文化的余裕を付加してくれる。
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ロフトからリビングを見下ろす。
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サンシェードを降ろせば、プライバシーを確保できる。
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