文京区S邸 2001/10/25

周辺環境
建築概要
■施工場所  東京都文京区
■地域地区  商業地域、 防火地域
■前面道路  22.009m
■建築規模  壁式RC工法 
              4階建
              最高高さ  11.964m
■各面積      敷地面積   54.57㎡(16.50坪)
        建築面積   36.24㎡(10.96坪)
         延べ床面積 106.70㎡(32.28坪)
    
設計趣旨
 当敷地は、周辺を中層のビルに囲まれ、敷地の間口は約4m、
正面が西の方角に面しています。住宅用の敷地としては、計画が
非常に難しい条件です。しかし、逆に捉れば、西面のファサード
(正面)は唯一外界へ繋がる面でもあり、閉ざされた敷地空間・
室内環境を開放する、劇的空間を演出する装置になり得るとも言
えます。
この、強い指向性を持つ西面の力を効果的に利用し、西日・風を
コントロールしながら導き、穏やかな室内環境を創ります。又、
プライバシーを維持しながら、人の生活が感じられる、明快で強
い印象を与える外観を表現しています。




ファサード(正面デザイン)
 3つの巨大な正方形の窓が、縦一列のオーダーを成す。そして、
両側のビルから急激に凹んだスカイラインの変化を合わせ、平坦
で無機質な街並みに、有機的な特異点を与える。庇は、上に行く
に従い、濃い色彩にグラデーションして、見上げる人へ、形状の
コントラストの印象を強めています。この家に、視線を向けた人
は、大きな複層網入スリガラスに映る、時々刻々と変化する家族
の存在を感じることとなるでしょう。
 店舗入口と玄関は、2つに分け、高齢である施主の使い勝手を
考慮し引戸にしました。扉を引戸にすることで、敷地の都合、幅
が狭くなりますが、高さを一般的な扉より高くして(2230mm)、
表具店の物品搬入などの使い勝手を維持します。
立面図

                  West                                       South
室内デザイン

リビングダイニングキッチン 床面積以上の広がりの印象を得る為、次の様にしました。  ・全体を白色に統一します。
 ・リビングダイニングキッチンと一つの連続した空間にしました。
 ・天井の両端にダウンライトを配し、壁隅の明るくすることで
  壁隅の影を無くし、室内の広がりを強調します。
 ・廻り階段をグレーチングとすることで、光と透過させる。この
  階段は住人が高齢者であることを考慮し、蹴込み板を設け、
  転倒しにくく、昇降し易くなっています。
 大開口に使うガラスは、複層網入りスリガラスで、色は乳白色で
室内と統一しており、外部からの視線も防ぎます。複層とし、専用
のサッシを使うことで、断熱性を保持しています。大きなFIX窓の
上下に開放出来る窓を設け空調をコントロールします。

店舗+作業場←→賃貸事務所  現在表具店であり、土間の店舗があり、框を介した“みせ”で業者の
人々と語り、作業場がある構成になっている。ところが、この板の間は、
建築物の造付けられたものではなく、撤去できる様になっています。
こうすることで、1階を賃貸事務所とした場合に、土間に直接仕上げを
施すか、束を使い新たな床を構築する事もできます。土間からの天井
高を2700mm(天井仕上無し)としており、上記の様に床が上がった
場合の室内高を維持します。


    東京の設計事務所、柳田繁穂一級建築士事務所(墨田区)

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